山田詠美著 哀切極まる「ジェントルマン」 文化部記者のベスト3国内小説編
「年末年始こそ腰を落ちつけて大長編を!」。そう意気込んだはいいけれど、休み明けまでに読み切れず、ストレスを抱えたまま出社…なんて事態はできれば避けたい。そこで、2011年に刊行された文芸作品の中から、手ごろな長さ(原稿用紙300枚程度)で、小説を読む楽しさを存分に教えてくれた3冊を独断で選んだ。
〈ぼくの愛したその男、罪人につき。〉というオビの文句(著者の考案)でも分かるように、哀切極まるピカレスク小説だ。
眉目(びもく)秀麗、文武両道。主人公の坂井漱太郎(そうたろう)は、分け隔てない優しさで同性異性を問わず周囲をとりこにする青年。だがジェントルマンとしての仮面の裏には、残酷な犯罪者としての顔が隠されていて…。物語は漱太郎の残酷な犯罪を唯一知る同級生、夢生(ゆめお)との関係を軸に展開する。なんらの罪の意識もない漱太郎と、背徳に魅せられる夢生。現代版「罪と罰」に、何組ものかなわぬ恋愛が交錯し、重層的な物語が立ち上がっている。
ラストの光景は恐ろしく悲しいけれど、美しい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111230-00000531-san-ent
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